技能実習 / 特定技能
2026.09.30
技能実習3号は、優良な監理団体や実習実施者など一定の要件を満たした場合にのみ移行できる制度です。そのため、試験結果や受け入れ体制などの理由から、3号へ進めないケースもあります。
しかし、技能実習3号に移行できなくても、必ずしも帰国しなければならないわけではありません。特定技能1号へ切り替えることで、引き続き外国人材を雇用できる可能性があります。
本記事では、技能実習3号に移行できない主な理由と、特定技能1号への早期変更という代替案について解説します。
目次
ここでは、技能実習3号へ移行できない主な理由を解説します。
技能実習3号へ移行するためには、技能実習2号で設定された目標を達成し、3級技能検定または同等の技能実習評価試験の実技試験に合格する必要があります。
そのため、実技試験に合格できなかった場合は、技能実習3号へ移行できません。
特に製造業や建設業などでは、作業手順の理解だけでなく、一定水準の技能習得が求められるため、試験対策が不十分な場合は不合格となる可能性があります。
ただし、技能実習3号へ進めなかった場合でも、技能実習2号を良好に修了していれば、特定技能1号への移行を検討できるケースがあります。そのため、3号への移行が難しいと判断された段階で、早めに代替案を検討することが重要です。
技能実習3号は、すべての受け入れ企業が利用できる制度ではありません。3号を受け入れるためには、実習実施者と監理団体の双方が「優良」と認められる必要があります。
例えば、技能実習生の技能向上実績や法令遵守状況、相談体制の整備状況などが評価対象です。過去に法令違反や改善指導を受けている場合は、優良要件を満たせず、技能実習3号へ移行できないことがあります。
この場合、実習生本人に問題がなくても3号への移行は認められません。そのため、受け入れ企業側の要件が原因で3号へ進めない場合は、特定技能1号への切り替えを検討するケースが多くみられます。
技能実習3号へ移行できるのは、国が定める移行対象職種・作業に限られます。そのため、技能実習2号の対象職種であっても、3号への移行が認められていない職種では継続できません。
また、同じ職種でも作業内容によっては移行対象外となる場合があります。
そのため、「技能実習2号まで受け入れられる=技能実習3号にも移行できる」とは限らない点に注意が必要です。
特に制度改正を見据えて長期雇用を検討している場合は、技能実習3号への移行可否だけでなく、特定技能1号への移行ルートもあわせて確認しておくことが重要です。
2027年4月1日から育成就労制度が開始されることに伴い、技能実習3号への移行には経過措置が設けられています。
技能実習3号へ移行できるのは、原則として2027年4月1日時点で技能実習2号の2年目を経過している実習生など、経過措置の対象となる場合です。
また、技能実習3号として海外から呼び寄せる場合は、2027年6月30日までに入国する必要があります。
そのため、今後技能実習3号への移行や3号実習生の受け入れを予定している企業は、対象となる実習生の実習期間や入国予定日を早めに確認しておくことが重要です。
期限を過ぎると従来の技能実習3号として受け入れられない可能性があるため、特定技能1号への移行も含めて今後の雇用計画を検討しておきましょう。
技能実習3号へ移行できない場合でも、直ちに帰国しなければならないとは限りません。
ここでは、技能実習3号に移行できない場合に検討できる主な代替案を紹介します。
技能実習3号へ移行できない場合の有力な選択肢が、特定技能1号への変更です。
特定技能は、人手不足が深刻な産業分野で外国人材を受け入れるための在留資格であり、一定の要件を満たせば技能実習修了後に移行できます。
特定技能1号へ移行する主なメリットは以下のとおりです。
特に技能実習2号を良好に修了した外国人材は、日本語試験や技能試験が免除されるケースがあるため、比較的スムーズに移行できる可能性があります。
技能実習3号への移行が難しい場合は、早い段階から特定技能1号への切り替えを視野に入れて準備を進めることが重要です。
技能実習3号へ移行できない理由が受け入れ企業や監理団体の要件にある場合は、技能実習先の変更を検討できるケースがあります。
例えば、現在の受け入れ企業が優良実習実施者の要件を満たしていない場合でも、要件を満たす企業へ移行できれば技能実習3号への道が開ける可能性があります。
ただし、実習先の変更が認められるのは、倒産や事業縮小などのやむを得ない事情がある場合が中心です。そのため、企業の都合だけで自由に移籍できるわけではありません。
また、新たな受け入れ先の選定や各種手続きにも時間がかかるため、在留期限が迫っている場合は特定技能1号への変更も含めて検討することが大切です。
国内での在留資格変更が難しい場合は、一度帰国したうえで再来日する方法もあります。
例えば、必要な試験への合格や受け入れ先の確保が間に合わない場合、帰国後に特定技能1号の手続きを進めて再来日するケースがあります。
ただし、この方法には以下のようなデメリットがあります。
そのため、企業が継続雇用を希望している場合は、できる限り国内で特定技能1号への移行を進めるほうが望ましいでしょう。
技能実習3号へ移行できない可能性がある場合は、特定技能1号への変更を早めに検討することが重要です。
ここでは、特定技能1号への早期変更が有効な理由について解説します。
技能実習2号を良好に修了した外国人材は、特定技能1号へ移行しやすいというメリットがあります。
通常、特定技能1号を取得するためには技能試験と日本語試験への合格が必要です。しかし、技能実習2号を良好に修了している場合は、以下のような優遇措置があります。
また、技能実習期間中に日本での業務経験や生活経験を積んでいるため、受け入れ企業としても即戦力として活躍してもらいやすい点がメリットです。
技能実習3号への移行が不透明な場合でも、技能実習2号を適切に修了していれば特定技能1号への移行ルートを確保しやすくなります。
特定技能1号へ移行する大きなメリットの一つが、一時帰国要件がないことです。
技能実習3号では一定期間の一時帰国が必要ですが、特定技能1号にはそのような要件がありません。
そのため、企業側には以下のメリットがあります。
特に慢性的な人手不足に悩む企業にとっては、継続して働いてもらえることは大きなメリットです。
技能実習3号への移行要件を満たせるか不安な場合は、特定技能1号への切り替えを早めに検討することで、雇用の空白期間を防ぎやすくなります。
特定技能1号への移行を早めに進めることで、優秀な外国人材の流出を防ぎやすくなります。
技能実習3号への移行可否が決まるまで対応を先送りすると、本人が将来に不安を感じて転職や帰国を検討する可能性があります。
一方で、早い段階から特定技能1号への移行方針を示しておけば、外国人材も将来のキャリアをイメージしやすくなります。
企業側にとっても次のようなメリットがあります。
特に人材確保が難しい業界では、新たな人材を採用するよりも、すでに育成した外国人材を継続雇用するほうが効率的な場合も少なくありません。
そのため、技能実習3号への移行が難しい可能性がある場合は、特定技能1号への変更を早めに検討することが重要です。
技能実習3号は、技能評価試験や優良要件など複数の条件を満たす必要があるため、すべての技能実習生が移行できるわけではありません。制度改正の影響もあり、今後は「まず3号へ進む」という前提だけで人材計画を立てることが難しくなる可能性があります。
一方で、技能実習3号へ移行できない場合でも、特定技能1号への変更によって継続雇用できるケースは少なくありません。重要なのは、在留期限が近づいてから対応するのではなく、早い段階から移行ルートを検討しておくことです。
地場企業振興協同組合では、外国人技能実習生の受け入れ支援だけでなく、特定技能外国人の受け入れや職業紹介にも対応しています。制度改正への対応や特定技能への移行方法に不安がある企業は、まずは一度相談してみてはいかがでしょうか。自社の状況に合わせた受け入れ方法や今後の選択肢についてアドバイスを受けられます。