技能実習
2026.01.06
日本社会が直面する深刻な人手不足。
特に中小企業ではその影響が大きく、外国人材の活用が避けられない現実となっています。
しかし、言語や文化の壁、制度運用の難しさから「本当に外国人を受け入れてうまくいくのか?」と不安に感じている経営者や人事担当者も少なくありません。
そこで本記事では、実際に外国人材の受け入れに成功している日本国内の企業の事例を紹介します。
現場で何が工夫され、どのように信頼関係が築かれているのか、経営者や社員のリアルな声を交えながら詳しく掘り下げます。
目次
ここからは、製造業・介護・建設・サービス業といった分野ごとに、外国人材受け入れに成功した中小企業の取り組みを見ていきます。
製造業では、技能実習制度を活用して外国人材を受け入れる動きが広がっています。
特に中小企業においては、実習生の存在が人手不足の解消だけでなく、現場の活性化や技能伝承にもつながっています。
兵庫県篠山市のフルヤ工業株式会社は、2003年にベトナム人技能実習生2名を初めて受け入れたことをきっかけに、現在では約30名の実習生が在籍する体制へと成長しました。
真面目で向上心のある実習生たちの働きぶりが、日本人社員の意識を変え、社内に良い影響を与えています。
同社では、週1回の日本語教室の開講や、生活面の支援体制を整備することで、実習生の定着を後押ししました。
作業中のフォローもきめ細かく行い、日本人と外国人が自然に助け合う職場づくりを実現しています。
また、2017年からはベトナム人の金型設計エンジニアを正社員として採用し、配偶者の社内雇用によって生活環境もサポート。
その結果、現在では同社の開発部門の中核として長期的に活躍しています。
出典:外国人人材の受入れを技能実習生から高度人材へ拡大した企業
人手不足が特に深刻な介護業界では、外国人留学生の受け入れが戦力強化の鍵となっています。
ただ雇うのではなく、「学びの場」として職場を整えることが、定着と活躍につながるポイントです。
大阪市の介護付き有料老人ホームを運営する学研ココファンでは、2017年にベトナム人留学生をアルバイトとして受け入れました。
当初は業務内容を限定していましたが、実際には排泄介助などもスムーズにこなす力を持っており、徐々に仕事の幅を広げたことでモチベーションが向上し、結果的に離職率が下がるなどの効果が現れました。
同施設では、利用者との自然な会話を通じて日本語力を高められるよう、できるだけ自由に話しかける環境を用意。
シフトも学業と両立できるよう配慮し、同じフロアに複数の留学生を配置するなど、孤立させない工夫がなされています。
さらに、指導にあたる日本人スタッフにも研修を実施し、翻訳アプリや写真を使って指示を伝えるなど、双方向での歩み寄りを重視しました。
こうした取り組みにより、現場には笑顔が増え、日本人と外国人が自然に支え合う空気が醸成されています。
出典:~外国人留学生アルバイトの定着・戦力化 成功事例 (介護・居酒屋)~
建設業界でも人手不足が深刻化するなか、外国人材の受け入れによって安定した人員確保と現場力の維持に成功している企業があります。
千葉県習志野市の内装工事会社である株式会社東京志村では、1996年にいち早く外国人の受け入れをスタートしました。
現在では社員20名中8名が中国出身で、技能実習生と特定技能人材が共に活躍しています。
現場で育った先輩が、言葉や文化を共有しながら後輩を指導するスタイルを実践しており、長期的な成長と定着につながっています。
一方で、道具の扱い方や報連相の文化などの違いは根気強く指導を重ねており、「日本では物は壊れてもすぐ捨てずに直す」といった価値観も、丁寧に伝えることで理解が深まりました。
生活面の支援にも力を入れており、Wi-Fi完備の寮、生活用品の支給、車の貸与など、受け入れ体制をしっかり整備しました。
2024年からは新たにインドネシア人材の受け入れも予定しており、多国籍な職場づくりがさらに進んでいきます。
出典:心を込めて接すれば必ずうまくいく、世界の優秀な人材に期待!
人手不足が続く飲食業界では、外国人の採用が戦力強化だけでなく、店舗の雰囲気づくりにも貢献しています。
兵庫県尼崎市で「鳥貴族 塚口2号店」を運営する株式会社グラッドでは、2019年に初めてベトナム人留学生3名をアルバイトとして採用しました。
接客経験がない状態からのスタートでしたが、笑顔と前向きな姿勢が印象的で、「一緒に働きたい」と店長が即決したといいます。
入店後は主にキッチンを担当しながら、徐々にホール業務にも挑戦。
日本語力に不安がある場面では、日本人スタッフがベトナム語の単語を覚えたり、写真を使ってメニューを説明したりと、互いに歩み寄る工夫が生まれました。
特に効果が大きかったのが、採用面接を営業中の店内で行ったことです。
実際に働くスタッフたちが候補者の様子を見ることで、「この子ならサポートしてあげたい」という意識が芽生え、全員で支える体制が自然と生まれました。
外国人スタッフが入ってからは、店舗の雰囲気が明るくなり、スタッフ同士のコミュニケーションも増加。今では日本人スタッフが留学生を食事に誘うなど、プライベートでも交流が深まっています。
出典:~外国人留学生アルバイトの定着・戦力化 成功事例 (介護・居酒屋)~
ここまで紹介してきた各事例からは、外国人材の受け入れによって、単に人手不足を補うだけでなく、職場の雰囲気の活性化や業務体制の見直し、日本人スタッフの意識改革といった変化が生まれていることがわかります。
共通して見られるのは、「人柄や姿勢を重視した採用」と「受け入れ側の柔軟な対応」が、定着と戦力化の鍵となっている点です。
語学力や文化の違いがハードルになる場面もありますが、適切なフォロー体制や社内コミュニケーションの工夫により、外国人材は企業にとってかけがえのない存在へと成長していきます。
こうした変化を前向きに受け入れ、持続可能な人材確保の手段として外国人材の導入を検討する企業は今後さらに増えていくと予想されます。
外国人技能実習生の導入は、多くの中小企業にとって人材確保と技術継承の手段として注目されています。
地場企業振興協同組合では、こうしたニーズに応えるべく、実習生の受け入れから配属後のサポートを一貫して提供する体制を整えています。
同組合は、インドネシア・ベトナム・スリランカ・中国など、信頼性の高い送り出し機関と提携し、現地での日本語・生活指導を徹底。
入国後も生活支援や実習指導を継続し、企業訪問による状況確認や24時間体制の対応など、きめ細やかなフォローを実施しています。
また、職業紹介や経営支援、福利厚生制度の整備といった組合活動を通じて、加盟企業の経営基盤を幅広く支援しています。
外国人材の受け入れに関心がありながら、制度や運用に不安を感じている企業にとって、地場企業振興協同組合のような支援機関の存在は心強い味方となるでしょう。